当期純利益の対応についてメモ書き

今年の4月以降に開始する会計年度から当期純利益の概念が変わります。ここではXBRLの観点から変更内容をメモしておきます。
なお、2015年版EDINETタクソノミは現在パブコメ中ですので、確定時には少し内容が変わっているかもしれません。ご了承ください。(参考:2015年版EDINETタクソノミ案

※会計的な意味合いはこちら参照。

適用時期

2015年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用

  1. 4月以降に開始する会計年度から適用なので、2015年3月期の本決算は、旧様式で作成する。
  2. ただし、決算短信のなかの、当期純利益の業績予想だけは新様式の「親会社株主に帰属する当期純利益」を使う。
  3. 2016年3月期の第一四半期の決算短信・四半期報告書からは、全て新様式で作成する。
  4. 12月決算会社は、3月決算会社から9カ月遅れで順次適用。


  • [旧] 現行の様式で開示
  • [混] 業績予想は新様式、実績値は現行様式で開示
  • [新] 新様式で開示
  • 青枠は「2015年版EDINETタクソノミ」を使用 ※2015年版EDINETタクソノミは、2015.3.31以降終了する本決算の有報より適用
  • 赤枠は「新しい決算短信タクソノミ」を使用 ※新しい決算短信タクソノミは公開され次第、即適用


当期純利益がらみの主な要素変更


(2015/2/4 経営指標の要素を追加)

  • 科目名がIFRSに合わせて修正されたものなので、XBRL的な発想ではラベルの変更で対応する方法もあったが、今回は新規要素が追加された。(実務的に一番紛れがないように、という趣旨だったとのこと)
  • EDINETタクソノミでは、単体も新様式ではProfitLossを使用してNetIncomeは使わなくなるが、短信サマリでは、単体(非連結)はNetIncomeを引き続き使用する。

こんな間違いがありそう!

  1. 新様式の連結PLの“当期純利益”の要素が「NetIncome」 ⇒ 継続性がない(概念が違う)のに、同じ要素で継続性があるかのように騙される。
  2. 新様式のPLの“当期純利益”の要素が「NetIncome」
  3. 新様式の決算短信サマリで連結経営成績に「当期純利益」が開示 ⇒ 「親会社株主に帰属する当期純利益」の間違いなのだと思いますが、100回に1回くらいは新しい概念の当期純利益(EDINETタクソノミのProfitLoss相当)なのかもしれない。(財務諸表と突き合わせる必要がある)

印刷会社様にお願い!

EDINETタクソノミのインスタンスでは、旧様式用の要素(「NetIncome」「IncomeBeforeMinorityInterests」「MinorityInterestsInIncome」等)と、新様式用の要素(「ProfitLoss」「ProfitLossAttributeToNonControllingInterests」「ProfitLossAttributeToOwnerOfParent」)が同時に現れることは通常ないはずなので、チェックしていただけるよう希望します。