エレメントの足し算

財務指標を計算するためには、タクソノミで定義されている複数のエレメントを集約していく必要があります。

例えば、棚卸資産には、エレメント「棚卸資産」「商品」「製品」「積送品」などが該当しますので、棚卸資産を計算するにはこれらの金額を加算します。

貸借対照表流動資産
 現金預金  100
 商品     50
 積送品    5
 その他    10
 流動資産計 165

【棚卸資産の計算】
棚卸資産: 50 + 5 = 55

XBRLでは、エレメントの値を加算する場合、以下の点を考慮しなければなりません。

  1. 異なるコンテキストの値を加算しないこと。
  2. 2重加算しないこと

まず1点目は単純です。前期の商品と今期の積送品を足しても、意味のない数値になります。連結と単体でも同じです。エレメントを集約する場合には同じコンテキストのものを集めます。

2点目は、ちょっとわかりにくいかもしれません。以下のような場合に、単純にエレメント加算すると棚卸資産が2重に加算されてしまいます。

貸借対照表流動資産
 現金預金   100
 商品      50
 積送品     5
  棚卸資産   55
 その他     10
 流動資産計  165

【棚卸資産の計算】・・・単純に対象のエレメントを集計
棚卸資産: 50 + 5 + 55= 110

2重加算をしないためには、エレメント間で計算リンクの親子関係がないかをチェックする必要があります。上記の例の場合だと、計算リンクに以下の関係が定義されているはずです。

棚卸資産=商品+積送品

計算リンク上、棚卸資産は商品と積送品の親になりますから、棚卸資産と商品・積送品は加算しないようにし、その結果 110ではなくて、55が棚卸資産となります。

このように、XBRLにおけるエレメントの値の集計するためには、計算リンクを解決しチェックするといった結構めんどうな作業(プログラム)が必要になります。

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