タクソノミフレームワークとDTS

いささか旧聞に属しますが、金融庁から2009年版EDINETタクソノミが公表されています。そもそもEDINETタクソノミとは、何でしょうか。

結論からいってしまうと、これはEDINETで使用されるタクソノミフレームワークです。

タクソノミフレームワークというのは、個別のXBRL文書(インスタンス)を作成する際に使用することができる共通タクソノミ(の集合)です。EDINETに開示されるXBRLデータは、EDINETタクソノミを使用しています。同様にTDnetにもタクソノミフレームワークが存在し、TDnetに開示されるXBRLデータはTDnetのタクソノミフレームワークを使用して作成されています。*1

標準的な項目はタクソノミフレームワークに定義されているため、提出データ(インスタンス)を作成する側は、必要なタクソノミフレームワークをインポートするだけでほとんどの項目定義が完成し、その文書独自に定義したい特殊な項目だけ個別に定義すればよいのです。

このように、提出データ(インスタンス(*.xbrl)およびスキーマ(*.xsd))から、タクソノミフレームワークのうち必要なファイル(スキーマ(*.xsd)・リンクベース(*.xml))が参照されることになり、以下のような構成になります。(TeCAXXBRL構成情報画面)

ルートの青いアイコンがインスタンスファイルで、グレイのアイコンはスキーマ、赤はリンクベースです。このように1つのインスタンスファイルの定義には、複数のスキーマとリンクベースが使用されていることがわかります。

XBRLをパースする場合には、インスタンスを起点として、参照されているすべてのスキーマ(提出者作成のスキーマスキーマA、AA、B)と、リンクベース(提出者作成のリンクベース、リンクベースA1、AA1、B1)を解析していくことになります。参照されているすべてのスキーマとリンクベースの集合を、XBRLではDTS(Discoverable Taxonomy Set:発見可能なタクソノミ集合)といいます。

XBRLのパースは、まずDTSの解決から始まります。DTSの解決方法は、XBRL2.1において厳密に定められており、基本的には、schemaRef要素やxlink:href属性をたどっていくだけです。DTSの解決方法に興味がある方は、JIS X 7206の3.をご参照ください。

*1:TDnetで開示される決算短信財務諸表では、TDnetのタクソノミフレームワークに加えて、EDINETタクソノミも使用しています