XBRLは『訂正』という仕様がありません。しようがありません、では済みません。

XBRLには、インスタンス単位で完全に独立したデータとして成立しているため、ほかのインスタンスを参照することはありません。私は、これがXBRLの仕様上の欠陥であると考えています。

なぜか。

EDINETやTDnetで開示される報告書などでは、一度開示されたものが後日訂正されることがよくあります。EDINETでは、そのようなものが訂正報告書として開示されていますし、TDnetでもタイトルに『訂正』とついているものがそうです。

ディスクローズされた情報が新規の情報か、訂正の情報かは意味合いが全く異なるにもかかわらず、XBRLの仕様には、この「訂正」を表現する方法がありません。訂正であれば、「これはこの前のアレの訂正だかんねー、この前のは無効にしてねー」という情報がほしいわけです。

XBRLが使用される場面(EDINET/TDnetなど)では、必ず「訂正」という業務があります。

現在、EDINET・TDnetでは、XBRLの訂正が必要な場合には、訂正したXBRLを丸ごと再掲する運用になっていますが、たとえ訂正済みのXBRLが出てきたとしても、何に対する訂正なのかを自動的に識別できません。*1

XBRLは、その使用目的からして「訂正」を表現する方法が仕様として必要です。

*1:EDINETの場合には、ファイルの命名規約がある(守られていないことが多いけど)だけ“まし”なのですが、TDnetでは完全にお手上げです。業績予想の修正を2回だしたのか、それとも1回の業績予想の修正とその訂正なのかは、TDnetの開示情報のタイトルやPDFから人が判断するしかないのです。