“上回る”が“下回る”を上回る
こんにちは。昨日病院で「マイコプラズマ気管支炎だった(過去形)」と診断されました。
さて、掲題の件、何のことやらとお思いでしょう。まずこれを見てください。(クリックで拡大)
これは、業績予想の“出る単”(出る単語)です。すなわち、上場企業がTDnetに発表する“業績予想の修正”の「予想修正の理由」(ReasonForForecastCorrection要素)の頻出単語の上位50を3か月ごと(一番最新は2014年1月から昨日まで)にランキングしたものです。
ここ1年くらい“上回る”が“下回る”を上回っていることがわかります。
“上回る”は、以下のように主に上方修正の理由として使われています。
「車載電装品・ホームエレクトロニクス事業の売上高が前回予想を上回る見込みであり...」 ASTI [6899] 3/7
「創業以来最高の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益となり、前回予想を上回る見込みです。」 中広[2139] 3/7
「前回発表予想を80億円上回る見込みです。」 長谷工[1808] 2/13
一方、“下回る”は、反対です。
「主にコマース関連事業の売上高が予想を下回る見込みとなりました。」 ザッパラス[3770] 3/7
「当期の連結業績は、売上高、各段階利益ともに前回予想を下回る見通しとなりました。」 味の素[2802] 2/14
つまり、“上回る”が“下回る”を上回っているということは、全体的に上向きなのかなぁという雰囲気が感じられるわけです。
(続きます)
第5回:TDnet更改に向けたXBRLユーザーセミナー
次世代EDINETも稼働して、いよいよ次はTDnet、とお考えの方、そんなあなたにぴったりのセミナー(参加無料!)があります。
私も2回ほど講演させていただいたXBRLユーザーセミナーの第5回目が、9月26日に東証アローズにて開催されます。
事前登録が必要ですが、だれでも参加できますし、料金もかかりません。
【概要】
1.XBRL作成側についての理解
1−1.上場企業のTDnetにおけるXBRL作成について概略紹介(仮)
1−2.企業によるXBRL作成手順の説明
2.IFRS適用企業のXBRLについて
3.TDnet 8月アップデート情報及びこれまで取り上げた重要項目再確認
【日時及び場所】
会場:東証アローズ
日時:2013年9月26日(水) 17:30〜19:30(予定)
申し込み方法等、詳しくはXBRL Japanの告知をご参照ください。
TeCAProも次世代EDINET対応しました
次世代EDINETカットオーバーに合わせ、TeCAProの次世代EDINET対応版をリリースしました。詳しくはこちらから。
次世代EDINETついに稼働、そしてEDINETへ
本日、次世代EDINETが稼働しました。
これで、EDINETは新たな世代へ突入、これまでの『次世代EDINET』が『EDINET』になり、『EDINET』は『旧EDINET』へ世代交代したわけですね。(たぶん)
いろいろバージョンアップしたようですが、個人的によかったと思うのは以下の3点。
- 開示時間が表示されるようになったこと
過去分含めて、開示時間が明らかになりました。これで開示順にきちんとソートできます。
- 直リンクが張れるようになったこと
今まではセッション管理が厳しくて、各文書に直リンクが張れませんでしたが、改善されました。
例えば、Inline XBRL第1号の文書はこれです。
- 全文XBRL
XBRLの対象範囲が拡大されました。
といっても、新しいタクソノミにすべての文書が切り替わるまでまだ1年以上かかります orz
Transformation rule "dateerayearmonthdayjp"に関するまとめ
dateerayearmonthdayjpに関する問題まとめ。(2013/8/21時点)
Transformation ruleとは?
Inline XBRLに記述されたファクトをインスタンスに変換するルール。
次世代EDINETでは、提出者がInline XBRLで作成し、EDINETがインスタンスを作成して公開される。このインスタンスを作成する過程で使用される。
dateerayearmonthdayjpとは?
いわゆる「和暦西暦変換」のルール。例えば、Inline XBRL上で「平成25年8月21日」なら、インスタンスでは「2013-08-21」と変換する。
Transformation Registry Version 2に登録されている。なお、本文には変換の具体的なルールは記載されていない。具体的なルールは、reference transforms(xsltによる実装例)の方にある。
問題点は?
問題は2つある。
・第1に、明治・大正・昭和・平成だけしか定義されていないので、明治より前の元号が使えない。
・第2に、明治元年から明治5年末までの変換ルールが間違っている。(明治5年末までは、旧暦(太陰暦)が使用されていた(wikipedia)が、その考慮がなされていない。)
影響は?
次世代EDINETでは、大量保有報告書もInline XBRLで提出することになっているが、その中に「設立年月日」という要素があって、明治5年以前の日付を記述しなくてはいけないケースがある。
明治より前であれば、dateerayearmonthdayjpは使えないし、明治元年〜明治5年であれば、dateerayearmonthdayjpを使うと正しく変換されない。(ルールが間違っているのだが、その間違ったルールの通りに変換してしまう)実際、RT(総合運転試験)では、ある会社の設立年月日が「明治2年5月4日」と記載されていて、インスタンスでは「1869-05-04」となっていた。(“明治2年5月4日”は西暦1869年6月13日だから、明らかにおかしい)
金融庁の対応は?
金融庁はこの問題を正しく認識している。
RTのQAにおいて明治より前の日付については、dateerayearmonthdayjpを使わずに、dateyearmonthdaycjk(「YYYY年M月D日」形式の西暦)を使うことを推奨している。
さらに、旧暦について個別に確認したところ「明治5年以前の日付を記載して詳細タグ付けする場合は、西暦での記載」するようにQ&Aに記載されるとの回答があったそうだ。
しかし、利便性の問題は残る。
大量保有報告書のWEB入力フォームでは和暦入力しかできない。EXCELツールでは、そもそもEXCELが1900年(明治33年)以降しか対応していない。そのため、西暦を使うにしても、ツールで(昭和などで仮の日付を入れておいて)作成したデータを、直接エディタなどを使って修正しなければならない。
どうすべきか
提出者は、金融庁の指示通り、明治5年以前の日付はdateerayearmonthdayjp(西暦)を使うようにすべき。
データ利用者は、インスタンスを利用する場合には、日付型の項目で値が「1868-01-01」〜「1872-12-31」の場合には、誤って変換された値かもしれないと疑う必要がある。(Inline XBRLのファクトのTransformation ruleがdateerayearmonthdayjpで、Inline XBRLのファクトが「明治元年〜明治5年」だったら不正な変換が行われている可能性が高い)
金融庁は、大量保有報告書のWEB入力フォームを西暦入力ができるように修正すべきだろう。(EXCELのツールはそもそもEXCELの制限なので修正は難しいと思われる)
そして、Transformation ruleは、dateerayearmonthdayjpが明治5年以前は無効であるように修正されるべきだ。(正しく旧暦から西暦に変換されるルールが実装できればよいが、それは複雑になりすぎると思われる)
(2013/8/22 修正)
(2013/8/21 初稿)
第3回:TDnet更改に向けたXBRLユーザーセミナー
本日、XBRL Japan主催・東京証券取引所協賛の第3回:TDnet更改に向けたXBRLユーザーセミナーが東証アローズで開催されました。
その中で、「15分で使えるオープンソースArelle」と題して15分ほど登壇して話をさせていただきました。
ご参加いただいた方に、スライドは印刷したものをお渡ししたのですが、注意点を記載したメモは印刷した後に急遽追加したため、お渡しできませんでした。もし、ご入用な方がいましたら、セミナーで使用したスライドとメモファイルを一緒にこちらにおいておきますので、持って行ってください。
第2回:TDnet更改に向けたXBRLユーザーセミナー
XBRL Japanのサイトにて告知が出ていましたので、ご紹介します。
申込期限が4月10日(水)11:30までとのことなので、まだお申込みしていない方はお急ぎください。お金はかかりません。今回も特に参加制限はないみたいです。
一般社団法人XBRL Japan(以下、XBRL Japan)は、以下の通りXBRLセミナーを開催いたします。
第2回:TDnet更改に向けたXBRLユーザーセミナー
■概要:2013年2月に開催した第1回セミナーに引き続き、2回目のセミナーを開催します。■当日のスケジュール:
- 次世代TDnetにおけるデータ取得・利用のためのタクソノミの見方について
データを利用する観点からみたタクソノミの情報の読み取り方について解説いたします。- 次世代TDnetサンプルデータの解説
次世代TDnetサンプルデータをベースに、テストのためのサンプル作りを通し、開発時に留意すべき点などを解説します。
※このセッションで活用したテスト用サンプルデータ(銀行業、SEC基準、2Q等も予定)は、後日講演資料とあわせ参加登録者に電子データをお渡しする予定です。- 次世代TDnet更改に向けたQ&A
第1回セミナーにご参加いただいた皆様からの質問に対して、可能な範囲で回答いたします。- ツール紹介
インラインXBRLやDimensionに対応したパーサー等の紹介■日時:2013年4月11日(木) 17:15〜19:30(予定)/開場は17:05になります。
■場所:お申し込みいただいた方への 受付票に記載いたします。なお、第1回セミナーとは会場が異なりますので、ご注意ください。
■参加方法:参加ご希望の方は、氏名、会社名、メールアドレスをご記入のうえ、以下のアドレスまでお申し込みください。(事前登録制。なお席に限りがありますので、満席となった場合にはお断りする場合があります、予めご了承ください。)
■連絡先 XBRL Japanのサイト参照■申込期日:4月10日(水) 11:30