レアデータ ゲットだぜ

昨年4月よりXBRLの運用が始まって以来、はじめての有報の提出ピーク*1を越えました。

関係者の皆さま、お疲れ様でした。

さて「鉄は熱いうちに」ということで、今回のピークを振り返ってみたいと思います。

多数のデータの中には、システムを開発する際には想定もしなかったデータがシステム屋を悩ませてくれるものがあります。2009年3月期の有報XBRLで出会ったちょっと変わったデータたちをパターン別にまとめて紹介します。



パターン1:ラベルリンク(勘定科目名)に不要な改行+タブ
2009/6/25 に開示された『岩手開発鉄道(E04117)』『オービック(E05025)』のXBRLでは、独自勘定科目の科目名に明らかに不正な「改行」「タブ」が混入していました。
有報キャッチャーで上記の有報のEXCEL形式をダウンロードすると、一部の勘定科目の後ろに「・」がついていますが、それは改行やタブが化けたものです。

XML(XBRL)では、改行は改行をあらわします。HTML*2とは違うんです。(←福田首相風に)



パターン2:EDINETコードが混在
2009/6/26 に開示された『川金ホールディングス(E21200)』のXBRLでは、コンテキストのidentifierで定義されているEDINETコードが、一部異なっていました。

DocumentInfoコンテキストでは E21200-000 と正しい値が設定されていましたが、それ以外のコンテキストでは E21706-000*3と定義されていました。

川金ホールディングスとリニカルには隠れた関係が???



パターン3:XBRL文書情報がDocumentInfoではないコンテキストで定義
2009/6/30 に開示された『山崎金属産業(E02624)』のXBRLでは、XBRL文書情報がDocumentInfoコンテキストではなくCurrentYearConsolidatedInstantコンテキストで定義されていました。

これを平然と受け付けてHTML/PDFを作成してしまうEDINET、さすがです。



パターン4:空(から)のラベル
2009/6/30 に開示された『小湊鉄道(E04132)』のXBRLでは、独自勘定科目:jpfr-asr-E04132-000_TotalChangesOfItemsDuringThePeriodAaa(日本語標準ラベル:『当期変動額合計』) の英語のperiodStartLabelラベルの定義(label要素)があるのですが、ラベルの値(label要素の値)がありませんでした。

値がないlabel要素には存在意義がないと思いますよ?


以上、4パターン5データをあげさせていただきました。

XBRLでデータベースを構築している皆さん、今一度ご確認してみてください。もし、これ以外のデータで「ちょっとおかしいよ」というデータを見つけたら、ぜひご一報いただければと思います。

*1:2009年3月期の有報提出期限は2009/6/30

*2:HTML文書中の改行は無視されるか、1文字分のスペースとして扱われるため、文章を明示的に改行するためには<br /> を用います。

*3:株式会社リニカル」という大阪の会社のコードのようです