やっかいなもの。それは「表示情報ファイル」。【続編】

前回の続きです。

EDINETは、XBRLと表示情報ファイルをもとに財務諸表のHTMLを作成しています。


財務諸表の列ヘッダについて考えてみます。
例えばBSの「列」というのは、特定のコンテキストに対応しています。列ヘッダに「前連結会計年度(平成20年3月31日)」とあれば、それはシナリオが連結で終了日が2008年3月31日であるコンテキストのはずです。

「前連結会計年度(平成20年3月31日)」という文字列は、コンテキストとはまったく別に、表示情報ファイルに定義されています。そして、コンテキストと表示情報ファイルとの整合性を保証する仕組みはありません。

すなわち、表示情報ファイルしだいで、コンテキストとは違った列ヘッダをつけられるのです。

XBRLのコンテキストでは2009年3月31日であるBSの列に対して「平成20年3月31日」(1年違う)という列ヘッダをつけてしまうようなデータが実際に出ています。

しかも、さらによくないことに、このような場合、HTMLの財務諸表の表示が提出者の想定していた情報であれば、XBRLのコンテキストが間違っていても訂正する必要はありません。XBRLは参考情報に過ぎないからです。

XBRLのコンテキストに定義されている内容を表示情報ファイルにも定義させるので、このようなことが発生してしまいます。XBRLに定義されている情報から取得できる項目は、表示情報ファイルから除外するか、そうでなければ、表示情報ファイルからXBRLの定義内容を参照できるような仕組みを考えるべきだと思います。