米国会計基準の決算短信

昨日(2009/7/25)の日経新聞15面にて記事になっていましたが、米国会計基準決算短信の純利益の記載方法が変わりました。

XBRLと戦うものとしては(このブログを読んでいただいている方もそうだと思いますが)、HTML/PDFでの表示以上に「XBRLでどのように出てくるのか」が気になります。
第1号として日本電産*1決算短信を出したというので、さっそく見てみました。もちろん、TeCAPro*2を使って。

短信サマリの「四半期純利益(日本電産に帰属)」の額は、これまでのNetIncomeUS(四半期純利益)ではなく、NoteToConsolidatedOperatingResults(連結経営成績に関する注記)というエレメントの値に記述されています。しかし、注記の文章の一部として金額が入っているので、XBRL的にはその金額を自動的に取り出すことができなくなっています。

同時に日本電産は「業績予想の修正」も提出していました。

こちらも見てみると、純利益の額はReasonForForecastCorrection(修正の理由)に記述されていて、やはり理由の文章の一部として金額が入っているだけです。

いったい、どうしちゃったんでしょうか?

米国基準の決算短信の場合には、自社に帰属する純利益(旧基準の純利益)を必ず記載する*3んですよね?それは、その金額が重要だからですよね?それなのに、注記や理由の文章の中にしかないのであれば、XBRLがなかった時代にHTMLから直接金額を抜き出すのとなんら変わりませんよ?XBRLのメリットはデータの比較可能性が向上することだったはずですよね。

タクソノミを修正して、自社に帰属する純利益(旧基準の純利益)を表すエレメントを定義して、それを使わせるべきではないでしょうか。

次回のタクソノミ変更の際にはぜひご検討いただけると幸いです。>東証(TDnet)のXBRL関係者様

*1:この会社をgoogleで検索すると、「他のキーワード」のトップがやばいですね。

*2:こんなときにちょっと調査するのにとても便利です。XBRLシステム開発者の方は、ぜひ使ってみてください。

*3:原則的な方法であれ、例外的な方法であれ