配当予想の修正情報はやっぱり大事だ。

四半期決算発表(決算短信)には、その発表で当期の業績予想を修正するかどうか、配当予想を修正するかどうかの有無が記載されています。この有無はXBRLでもインスタンスファイルに記載されていて、例えば業績予想の修正の有無はエレメント「CorrectionOfConsolidatedFinancialForecastInThisQuarter」がtrueかfalseかで判断することができます。

ところで、前にも書いたことがありますが、業績予想の修正と配当予想の修正を1回の開示で済ませていて、XBRLは業績予想の修正のデータだけ、というパターンがあります。

一見関係なさそうに思えるこの2点ですが、実は意外な落とし穴がありました。

例えば、速報キャッチャーこのニュース予想・実績管理表(9381 AIT) の「配当金」を見てください。ニュースでは、「配当予想は変更しない」といいながら、配当金の予実管理表では10/2に配当金を33%下方修正していることがわかります。これは以下のような経緯によるものでした。

◆1.2月決算のA社は、2009/4/3に2009/02期の決算発表を行い、2010/02期の業績予想と配当予想(年間4500円)をあわせて公表しました。

◆2.2009/8/17になって、2010/02期の業績予想修正と配当予想の修正(年間4500円から3000円に減額)を発表しました。そのときに、XBRLには業績予想の修正データだけで配当予想のデータは含まれていませんでした。

◆3.2009/10/2になり、2010/02期第2四半期の決算発表を行いました。このとき、今期の業績予想と配当予想(年間3000円)の修正は行っていません。

このような経緯をたどったため、2009/10/2の決算短信では配当予想の修正の有無「CorrectionOfDividendForecastInThisQuarter」は無し(false)であるにもかかわらず、2009/4/3に発表されている4500円から3000円に減額されたことになります。(8/17の減配の情報が抜け落ちてる)


上場企業のご担当者様、この低金利の世の中で、配当は大変重要な情報です。ぜひ、めんどくさがらずに配当予想の修正のXBRLをきちんと提出してください。

最近では、業績予想の修正と配当予想の修正を同時に発表した場合でも、同時に「数値データ追加」とかで配当予想の修正のXBRLだけを出してくれるケースが増えているようですので、この傾向が強くなることを切に望んでいます。