業績予想に関するXBRLのエレメントは多種すぎてわかりにくい。だけじゃない。

業績予想というのは、適時開示情報(TDnet)で開示される決算短信や業績予想の修正に関する情報で、決算短信で翌年度の売上高や利益(営業利益・経常利益・純利益)の見込みを発表したり、景気変動等で見込みを変更したときに発表されます。

その際のXBRLに使用されるエレメントが多種あって、取り扱いがわかりにくいのです。というか、実際どうにかしてほしいわけです。

例えば、「営業収益」の予想には以下のようなエレメントが使われています。

  • 営業収益の予想 ForecastOperatingRevenues
  • 営業収益の予想(証券業界) ForecastOperatingRevenuesSE
  • 営業収益の予想(米国基準) ForecastOperatingRevenuesUS

例えば、良品計画(7453)が9/16に発表した業績予想の修正XBRLでは、営業収益の予想をあらわすエレメントにForecastOperatingRevenuesが使用されています。
また、証券会社である岩井証券(8707)が4/17に発表した業績予想の修正XBRLでは、営業収益の予想をあらわすForecastOperatingRevenuesSEが使用されています。
同様に米国基準を採用しているオリックス(8591)はForecastOperatingRevenuesUSを使用している、という具合です。

しかし、実際のデータを見ると、そんなにきれいに使い分けられていないから困るわけです。

例えば、証券会社でも「ForecastOperatingRevenuesSE」を使わずに「ForecastOperatingRevenues」を使っている会社もありますし、もっとひどい場合には同じ会社でもその時々で使うエレメントを変更していたりします。

もっと具体的に見てみましょう。

極東証券(8706)は、2008/10/15の発表では「ForecastOperatingRevenuesSE」を使い、2009/4/17の発表では「ForecastOperatingRevenues」を使っています。大阪証券取引所(8697)に至っては、「ForecastOperatingRevenues」と「ForecastOperatingRevenuesSE」と「ForecastNetSales(売上高の予想)」が『営業収益の予想』として使用されています。

ということで、いつものような結論に至るわけですが、東証はタクソノミを作って終わりではなく、もっと標準化を進めていただきたいと思います。企業側も、事由だから何でもいい、ではなく、データを使う側の立場にたってXBRLを作成していただけるようお願いしたいと思います。

皆様、どうぞよろしくお願いいたします。