EXCELアドインツールは、なぜデータを事前に集約しないのか

XBRL界隈に入る前、企業の決算データと言えば、帝国データバンクのCOSMOSでした。これ以外にも他の情報ベンダーから同様のデータは販売されていますが、このような情報ベンダーが提供する企業の決算データは、情報ベンダーが有価証券報告書などから集めたデータを、独自の方法(ノウハウ)で集計してシステム的に扱いやすい粒度にまとめられています。

これに対して、今回公開したExcelのツールは、XBRLを直接分析するものとして作成しました。データの集計はユーザはExcelを使って自由にやっていただけばよい、というスタンスです。

なぜこのようなスタンスでツールを作ったのかというと、情報ベンダーが行っている集計というのは、モデル化であるためです。例えば、経済学では人間を「無限の計算能力を有する守銭奴」(合理的経済人)としてモデル化しますが、そのようにモデル化というのは、分析したい事象・問題を表すために、簡略化してしまいます。

モデル化は、問いにあわせて行う必要があり、問いはユーザ一人ひとり違います。情報ベンダーのモデル化されたデータは、モデル化するスキルや時間がない人がお金で解決するためのものです。念のために付け加えて起きますが、批判しているわけではありません。資本主義社会において、自分にないスキルや時間をお金で買うのは全く合理的なことですし、情報ベンダーが提供するデータはお金を払って買うだけの価値は十分にあります。

でも、せっかくXBRLで開示されるようになって、原データがそのままコンピュータで扱えるわけですから、データをどうモデル化するかは自分で考えたい、という人がいるはずです。そんな方に使っていただくために、XBRLを直接分析できるようにしました。そこから先の集計(=モデル化)は、ユーザが自由にやってください。せっかくEXCELなんですから。

以上、さっき思いついた出まかせでした。


本当は、お客さんから「Webサービスを使うExcelのアドインって作れますか?」って聞かれたので、「簡単ですよ。試しにうちのWEBサービス(有報キャッチャーWEB API)を使う簡単なツール作ってお見せしますね。」と言って、何も考えずに作ったらなんとなくこうなっただけです。すいません。